鬼、金を食らいに旅に出る

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クレジットカードのICチップが気になって分解してみた

Credit Card Chip

こんにちは。鬼です。

手持ちのクレジットカードが増えてきたため、どのカードを残そうかと検討していたところ、ふと気になるところを発見しました。

普段何気なく見ていたクレジットカードの券面には知られざる秘密がいくつも隠れているのではないかと思い、無我夢中で調べてみた結果をお知らせします。

何の役に立つか分かりませんが、クレジットカードの更なる理解に繋がればと思います。

ICチップの種類

ICチップ付きのクレジットカードは珍しいものではなくなっていますが、一概にICチップと言っても様々な形状をしていることに気が付きました。

手持ちのクレジットカードだけでも、4種類もの異なるICチップが組み込まれていたのです。

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ネットで探したところ、JCBの公式サイトで利用されているJCBカードのICチップは私が持っているカードのICチップとは異なり、丸みがありデザイン性に優れています。

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また、同じJCBのカードでも下図のICチップは丸みは無く、中の形状も独特なものでした。

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共通点

これだけカードによってバラバラに見えるICチップですが、共通点があるとしたら一番右上の箇所だけは、真ん中と繋がっているということです。

今まで気にしたことがありませんでしたが、どのカードのICチップも一様に右上の区画?だけは真ん中の区画との間に黒い線が無かったり、一部が途切れていたりしているのです。

ちょっとした発見に少しだけ嬉しくなりました。

ICチップの構造

面白くなって調べてみると、ICチップの構造について少しだけ分かってきました。

まず、基本的なことですが、ICチップと一般的に言われている部分はICチップ本体ではなく、お店で使用するICカードリーダーがICチップ本体にアクセスするための端子だということです。

そして、ただの模様かと思っていた端子の形状にはそれぞれ下図のような役割があるということが分かりました。

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これ以上はマニアックすぎるため省きますが、ICチップという小さなコンピュータにアクセスするのに必要な技術が端子の形状に隠されていたのですね。

ICカードリーダーの規格は規約によって統一されていますが、問題なくICチップにアクセスできさえすれば良いため、私たちが目にする端子部分の形状は比較的自由に設計できるのだと思います。

上の図のような配置を守る限りは、これからも変わったデザインの端子が登場するかもしれませんね。

ICチップの端子位置

ICチップを眺めていてもう一つの発見がありました。

それは端子の位置がカードによって異なるということです。

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上の図は、左からSPGアメックスカード、MUFGプラチナアメックスカード、楽天ゴールドカードですが、一番左のSPGアメックスカードだけ、カード番号とICチップ端子の間に隙間があるのです。端子自体の大きさはどれも一緒なので、この隙間の分だけ上方にズレてしまっています。

そして、よくよく見ると、SPGアメックスカードのICチップ端子は一番右上ではなく上から二番目が真ん中と繋がっています。

従って、一番上の区画はダミーであり、ICチップ自体は端子の下の方に配置されているのではないかと予測します。

なぜこんなことをするのかは全く見当が付きませんが、きっと凡人には考えもつかないような理由が隠されているのだと思わずにはいられません。

確かめる術は無いですが、いつの日かSPGアメックスカードが不要になった時には、分解して中身を見てみたいと思いました。

そうだ、別のカードを分解してみよう

SPGアメックスカードの分解は無理でも、解約してしまったクレジットカードであれば分解しても問題ないだろうということで、恨みはないですが楽天カードを分解してみることにしました。

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ICチップの端子形状は一番オーソドックスな形なので、実験にはもってこいの素材です。

小型のナイフでカードと端子の間をカリカリと削る感じで剥がして行きましたが、意外としっかり接着されており苦戦してしまいました。

ちなみに、黒い線に見えるところはなんと隙間でした。

実はこの発見が一番の衝撃でした。

長年、黒く描かれているのかと思っていましたが、目を近づけてみると黒い部分は下の素材が透けて見えているのです。しかも、チップ本体もチラッと見えていたということを分解した後で知りました。

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端子を全て取り去った状態です。

中心部が空洞の黒く見えているのがICチップ本体です。端子に比べて面積は小さいのですね。しかし、この面積の差が、端子を自由にデザインできる理由なのですね。

ひとつ勉強になりました。

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ついでなので、ICチップ本体を取り出してみました。

端子を剥ぐのとは違い、まわりをナイフでなぞると、ポロっと取れてきました。

どうやら接着はされていなかったようです。

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裏面はこんな感じで質素です。

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ICチップが入っていた部分を縦にハサミを入れてみました。

カードの断面になりますが、ICチップの分だけプラスチックが薄くなっている以外では、磁気ストライプはほとんど厚みが無いことが分かります。

それは、切らなくてもカードを横から見たら分かることですが。

 

これからクレジットカードを破棄するという方は、確実にICチップを破壊しましょうね。端子部分だけ切っても、肝心のICチップが無事であれば悪用される可能性が無いとは言い切れませんので。

鬼でした。